この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
賃貸アパートの大家さんからの依頼で、賃料未払のまま2年以上所在不明になった賃借人がおり、賃借人の荷物などがそのままになってしまっていた事案です。大家さんからは荷物などを撤去して明け渡しをしたいが、連絡が取れなくなっているのでどうしたらいいかわからず困っているというご相談でした。
解決への流れ
賃貸アパートを所有されている大家さんなどは、賃借人と連絡がとれなくなってしまったり、滞納家賃を再三催促しても応答がないような場合が多数ある思います。私が対応した事案も、賃貸アパートの大家さんからご依頼があり、荷物などそのままで2年以上所在不明になってしまった賃借人がいて困っているというものでした。通常このような事案では、公示送達という特別な手段を使って所在不明の賃借人を相手に訴えを提起し、判決をとった上で、建物明渡しの強制執行手続を粛々と進めていくことになります。もっとも、私は、賃貸借契約において連絡保証人がいることに着目し、連帯保証人に対しても通知書を送って未払賃料の支払いを請求しました。そうしたところ、連帯保証人から私宛に連絡がかかってきて、賃借人の所在を掴むことができました。結果的に、賃借人と直接交渉することに成功し、事件を依頼されて1か月と短期間で明け渡しを実現するとともに、さらには、未払賃料を全額回収することができました。
全ての事案がこのようにうまく行くとは限りませんが、連帯保証人に負い目や特別な関係がある賃借人も多いため、連帯保証人がいる場合には、連帯保証人に対する請求を踏まえて建物明渡しや未払賃料回収の戦略を練ることも重要です。依頼者の方からは、未払賃料まで回収できるとは思ってもみなかったとして大変感謝されました。また、ずっと所在不明だった賃借人とあっさりと連絡がとれ、想定外にスピーディーな明け渡しが実現したことに驚かれていました。