この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
父親が亡くなった。相続人は、認知症で施設に入院している母親と長男、長女の3名。亡父の遺産分割協議をしたいが、母親が協議に参加することができない。遺産分割の実現のための方法を教えてほしいと、長男と長女が一緒に来所された。
解決への流れ
認知症の母親は、要介護度5のため、まったく自分の意思を伝えられない。亡父の遺産分割協議を成立させるためには、母親に成年後見人を立てる必要がある。当職が成年後見の申立て手続きを担当し、家庭裁判所に成年後見人を選任してもらうという方法を提案した。しかし、長男長女が、見知らぬ人ではなく、当職に成年後見人に就任して欲しいと強く希望された。そこで、成年後見の申立ては長男の名前で行い、成年後見人候補者として当職を推薦するという方法を取ることにした。成年後見申立書の作成と家裁への提出につき依頼を受けるとともに、家裁から選任されら成年後見人として誠実に職務を果たすことをお約束した。
成年後見の申立ては、無事済ませることができ、家裁から当職が成年後見人に選任された。現在、認知症の母親の成年後見人として、長男長女と遺産分割協議の話し合いを始めている。見ず知らずの人が成年後見人になるのは不安であるとの気持ちにお答えできたケースである。専門職後見人として信頼してもらえたことがうれしかった。