犯罪・刑事事件の解決事例

【管理組合側】管理組合総会決議無効確認事件を和解により解決した事例

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小沢 一仁 弁護士が解決
所属事務所インテグラル法律事務所
所在地東京都 千代田区

この事例の依頼主

年齢・性別 非公開

相談前の状況

マンションの管理組合総会招集通知が組合員(区分所有者)をミスリードするものであるなどとして、総会決議無効確認が求められました。管理組合側から依頼を受けて、当時の状況を確認すると、無効とまでいえるかはともかく、確かに説明に行き過ぎた面もあったように思われました。しかし、総会決議で承認された事項は既に進んでしまっており、利害関係者も発生していたことから、決議を無効となることは住民全体の不利益になりかねないものでした。そこで、方針としては、総会決議の内容を維持することとしました。他方で、総会決議無効確認はマンションに居住する住民間の争いであることから、一方的な解決を図ることは、住民間の対立を生みかねません。そこで、住民側の理解を得つつ、総会決議を維持するためにどこを着地点とするかが問題となりました。

解決への流れ

当初は管理組合理事会側と決議無効を主張する住民側とで話し合いによる解決をすることを試みました。しかしながら、住民側は弁護士を付けず、法的な判断をすることができません。また、管理組合(理事会)に対する不信感を持っていましたので、私が介入しても管理組合側の弁護士であるからという理由で十分に話を聞いてもらえませんでした。繰り返し読み返すことができるように書面にしても、十分に理解してもらえず、口頭で補足説明をしても話を聞いてもらえずという状況が続きました。そこで、より中立的な第三者を介入させ、住民側に聞く耳を持ってもらうために、民事調停を申し立てることにしました。調停を申し立てれば、調停委員会が第三者的立場からの見解を提示してくれるので、私が管理組合側の弁護士として説得をするだけの状況からは進展することが期待できました。調停を申し立てたことで、住民側も弁護士を付けました。そこで私は、調停外で同弁護士とのあいだでも協議を進めました。その結果、総会決議無効事由に乏しいこと、住民側で総会決議無効確認を求める訴訟等を提起しても対立を深めるだけであり、建設的でないこと、とはいえ、管理組合側にも不適切な面があったことから、これらを踏まえて協議により妥当な解決を図ることとの方針を決めました。なお、調停委員会も同様の意見でした。結果として、次回総会において、今回問題となった総会決議について、再度総会で決議事項とするか(決議のやり直しをするか)を決議すること、当該決議の結果に蘇峰異議を述べないことで和解をしました。次回総会では、決議のやり直しをしないとの議決がされました。

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小沢 一仁 弁護士からのコメント

本件は、最後決議しないことの決議がされたことで終了しました。マンションでは価値観の異なる多数の住民が居住していることや、マンションを管理する理事会が法律の専門家でないこともあり、理事の感覚では妥当と思われることが法的に見ると行き過ぎであったり、反対に、理事の感覚が法にかなうものであっても、住民の反対意見をないがしろにするなど対応を誤ることでトラブルが深刻化することがあります。クレーマーのような住民についてはともかく、反対意見があっても、当該反対意見が当を得ないものであっても、相互の意見を尊重する姿勢が必要です。本件もこのような行き違いによる面がありました。管理組合側において行動をするときには、一歩立ち止まりその判断が他の住民からどのように受け止められる可能性があるのか、管理会社に管理を委託しているのであれば、アドバイスを求めたり他のマンションの事例を聞くなどして、冷静な判断をするよう努めることが、円滑なマンション管理に資するのではないかと思います。