この事例の依頼主

70代 男性

相談前の状況

依頼者甲は、相手方乙(近隣に住む知り合いの建築士)に対し、平成29年秋ころ、自己所有の土地・建物を1000万円で売却し、その売却代金を乙に預けることとした。乙はその建物を取り壊し、自己資金と合わせた資金でその土地上に、若者及び高齢者向けの5世帯住めるアパートを建築し、1世帯分の部屋を甲に優先的に賃貸し、(賃料は通常の家賃)清算金として500万円くらいを返還することになっていたが、甲は本件土地建物を乙に引き渡したにもかかわらず、それから4、5か月経つのに乙は、何かと理由を付け未だに工事に着手しておらず、このままではどうなるか不安である。

解決への流れ

債務不履行を理由に、契約を解除し、乙から金1000万円を返還してもらうことも考えられたが、甲の第1次的な希望が早く工事を完成してもらい、完成したアパートに居住したいということだったので、工事の着手時期を平成30年6月末日までとし、同年9月末日までには甲を本件アパートに居住させる合意(契約)をした、更に9月までに甲を本件アパートに居住させられない場合は、本件契約は当然解除となり、乙は甲に対し直ちに金900万円を返還するとの過怠約款を付け、これらの合意を強制執行認諾付きの公正証書で締結した。

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有満 俊昭 弁護士からのコメント

一応委任は公正証書作成で終わったが、その後甲から平成30年9月を経過したのに、乙はまだ工事に着手していないとの連絡があった。乙に連絡して事情を聴いたが、何かと理由を付け言い訳していた。強制執行するのは別の事件でもあるし、別の弁護士がする方がしがらみがないと思われたので、その後の件は、別の弁護士に依頼してもらうことにした。給付条項付きの和解契約をする場合は、履行されない場合の強制執行を考え、強制執行認諾(支払い等しない場合は、強制執行を受けても異議はない旨)付きの公正証書を作成しておくべきである。