この事例の依頼主
40代 男性
家族で飲食店を経営していたご相談者は、お客として訪れていた10歳年下の女性と再婚しました。妻は店を手伝い、娘を生まれ、親子3人で暮らしていました。しかし、店ではご相談者の母や弟夫婦も働いており、関係がうまくいっておりませんでした。ある日、妻は小学生の娘を連れて家を出て、弁護士を通じて離婚と、離婚成立までの婚姻費用の請求を申し立てました。ご相談者も弁護士を立てて交渉を開始し、家庭裁判所において先行して月額15万円の婚姻費用の支払いが決定しました。その後、離婚、親権者の指定、養育費の支払い、財産分与をめぐって対立が続き、1年半が経過しました。妻は過去に浪費による多重債務を抱え、任意整理を行った経験がありました。最近になって、ご相談者との婚姻生活においても、ご相談者のクレジットカードを無断で使用するなど、秘密裏に多額の借金を抱えていたことが発覚しました。さらに、別の弁護士に依頼し、自己破産の申し立てを準備していることも判明しました。長引く交渉により、当初依頼していた弁護士との間で信頼関係が揺らぎつつありました。
知人を通じて当職に相談がありました。初めは、依頼している弁護士を信頼し、十分な説明を受けた上で継続するよう助言しましたが、その後再び相談があり、依頼弁護士を解任し、当職に委任することとなりました。当職は事件を見直した上で、家庭裁判所で調停が継続中であったものの、相手方弁護士と調停外での交渉を開始しました。妻の負債状況が離婚原因となり得ることを指摘し、離婚の成立、親権を妻に指定、適正な養育費の支払い、子との面会交流について合意を取り付けました。(月々の支払い総額は15万円から10万円に減額しました)そして、調停期日において全面的な解決に至りました。当職の受任からわずか2か月でのスピード解決となりました。
当職が受任するまでの長期間、なぜ解決に至らなかったのか疑問がありましたが、ご相談者自身が自身の置かれている立場を十分に理解していなかったことが一因でした。本件は、弁護士とご相談者の信頼関係の構築およびその維持の重要性について、改めて考えさせられる案件であったと言えます。