この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
依頼主が不倫をした相手の夫から慰謝料請求を受けた事案です。依頼主の方から誘ったので、責任は一方的に依頼主にあると主張され不倫相手の夫から500万円の慰謝料を請求されていました。依頼主は、相手方の請求が高すぎるのではと思って当事務所に相談に来られました。
解決への流れ
相談を受けて、以下のような主張をして、減額交渉をする方針を立てました。①不倫のきっかけは、依頼主が誘ったという事情はありましたが、当時不倫相手とその夫との関係があまり良くなかったことなどから、依頼主の責任は大きいものではない。②依頼主の妻も不倫相手の不貞行為により、精神的損害を被っているので慰謝料を請求することができる。上記②を主張するにあたっては、まず、依頼主から妻に不倫の事実について正直に話をしてもらいました。そして、妻にも相談に来所してもらい、妻から不倫相手に慰謝料を主張することにより、夫が請求されている慰謝料を減額することができることを説明しました。そして妻の協力を得られることを確認できたので主張しました。上記の事情から、以後依頼主の夫と不倫相手が一切会わず、万が一会った場合には和解の効力を無効にするという条件で、慰謝料の額を100万円とすることで合意しました。
不倫の当事者は、自身がやましいことをしているという認識があり、妻や夫に知られたくないと考えますので、不倫が発覚して慰謝料を請求されたとしても、自分で解決しようと思うことが多いと思います。しかし、相手方の請求がはたして適当なものか判断するのは難しいと思います。最近はネットの情報である程度の相場を理解されている方も多いですが、個々のケースによって異なるものですので、必ずしも当てはまらないものもあります。依頼主は、妻に素直に事情を話して協力を得ることができたので、結果として慰謝料を減額することができました。現在は、依頼主と妻との関係も修復しています。このようなケースもありますので、不貞相手あるいはその配偶者から慰謝料を請求された場合には、妻や夫の協力が得られるかも確認するようにしています。