この事例の依頼主
60代 女性
相談前の状況
車対車の事故です。被害者は自動車で走行中、交差点で相手方車両と出会いがしらに衝突しました。被害者はこの交通事故により、外傷性くも膜下出血、肋骨骨折等の怪我を負いました。数年間におよぶ治療を続けましたが、視力の低下、呂律が回らない、物忘れがはげしくなる、よく転倒するようになる等の症状が残りました。被害者はご自身で自賠責保険に後遺障害認定申請を行いましたが、結果は非該当でした。被害者とそのご家族は結果に納得がいかず、何とかならないかと当事務所にご相談にみえました。
解決への流れ
介入後、申立時の書類、被害者の症状、自賠責保険が説明する非該当の理由について慎重に検討しました。その中で、被害者の症状が適切に審査されていない部分があったことから、補強資料を揃えるなど入念に準備をして異議申立を行えば、後遺障害認定結果と異なる判断を得ることができると判断しました。その後、さらに医療記録や画像を精査し、異議申立を進めました。その結果、高次脳機能障害と複視の二つが後遺障害と判断され、最終的に併合6級が認定されました。
本件の場合、後遺障害認定申請において、調査機関は、画像上から脳萎縮の進行や脳挫傷痕の残存がないことを理由に後遺障害にはあたらないと判断していました。しかし、異議申立に際して、当事務所で新たな資料の提出、説明をしたことによりその判断は覆りました。高次脳機能障害は、ただ必要な書類を集めて提出すれば認定を受けられるというものではありません。自賠責保険の判断基準を意識し、高次脳機能障害を裏付ける資料を収集し、申請を進めていく必要があります。