この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
依頼者は、相手に対して、離婚を求める内容の連絡をしたところ、相手が弁護士をたてて通知してきたことをきっかけとして自分も弁護士をたてようとご依頼されました。
解決への流れ
依頼者の話によると、相手方は離婚には応じるが、これからの生活保障が欲しいと言っているとのことでした。相手方弁護士とのやり取りにおいても同様の内容で、直近に入った退職金を目当てにしていることがわかりました。なかなか折り合いがつきそうにないため、調停を起こすことにしました。調停でも金額は明示しないものの生活保障をしてもらわないといけないという主張をしてきましたし、調停委員も相手を可哀相に思ったのか、こちらに対して生活保障という話をしてきました。生活保障というあいまいな主張では法的に整理できないので、当職が財産分与として支払うべき金額を算出して提示しました。すると相手も遅れて財産分与の金額を提示しきました。金額としてはかけ離れたものでしたが、相手の論理がおかしいことが明らかになりました。その後、裁判官から調停案の提示があり,その案に従う形で調停が成立しました。
生活保障などというあいまいな主張のままで進むと、大きな金額を請求される可能性がありました。先手を打って財産分与として,「基準時はいつか、財産の範囲はどこか。」について明示して、そこから算出される金額を示すことで、話を進めることができました。具体的には、退職金がどこまで財産分与の対象となるかが問題になりました。勤続年数よりも婚姻期間が短い場合には、婚姻期間分しか財産分与の対象にはなりません。例えば1000万円退職金が出たとしても、勤続年数が20年で婚姻期間10年だとすると、1000万円のうち2分の1しか財産分与の対象になりません。それを2分の1にするので、支払うべき金額は250万円になります。調停委員が相手の話に従って、法的な論理と離れた話をしていく可能性もありますのでそこをしっかりと戻していくのも弁護士の役目だと考えます。