この事例の依頼主
女性
相談前の状況
相談者は、夫の多額の借金や夫の暴言などのモラルハラスメントを理由に離婚を申し出たところ、親権を妻にするという内容で離婚が成立した。妻が子どもを連れて家を出たが、養育費の取り決めがなかった。そのまま2年ほど経過したが、相談者が養育費が支払われないのはおかしいと思い、相談を決意した。
解決への流れ
相談後、速やかに相手方に養育費の支払いを求める受任通知書兼請求書を送付。相手方から回答がなかったため、養育費の支払いを求める家事調停を申し立てた。併せて、養育費の支払いを促す意図で面会交流に関する取り決めを求めた。夫から回答はなく、第1,2回の調停期日にいずれも出席しなかった。家庭裁判所に調停に代わる審判を出すよう促し、審判決定後、相手の勤務先を特定し、給与の差押えを行った。給与からの回収を行っている。
裁判所は過去分の養育費の請求を簡単には認めません。養育費請求をしなくとも生活できていたこと,過去の義務者の生活状況を知るには限界があって扶養が必要な状態にあったかの判断も難しいこと,請求される側(義務者)にとっては長期間の分を一括で請求され支払わなければならないとなれば不意打ちとなって過度な負担となること,などからです。そのため、少しでも多くの支払いを確保するためにも、相談後速やかに請求を行うことが肝要でした。また、夫が一切対応してこない場合でも、養育費などであれば審判を出してもらう方法でステップを進めることができます。妻に夫の勤務先を特定してもらえたことで、養育費の回収にこぎ着けることができました。