この事例の依頼主
70代 男性
相談前の状況
依頼者の父が作成した遺言書で、全て依頼者の妹に相続させると記載されていました。依頼者は納得がいかず、妹に対し遺産の分配を求めたが、妹は公正証書である遺言書の正当性を主張し、依頼者には全く分配しようとしませんでした。
解決への流れ
依頼者から、妹に対し、遺留分減殺請求権を行使する旨の内容証明郵便を送付し、妹との協議にあたり具体的な内容を記した提案書面を送ったが妹は全く受け入れませんでした。そこで、依頼者は遺留分減殺による物件返還請求調停を申し立て、結果として、遺産の一部不動産を売却しその代金額から遺留分侵害額3000万円の支払いを受けることで調停がまとまりました。
遺留分減殺請求は、期間制限の関係上、速やかに行動すべき事件の一つです。そのため、遺留分についてのご相談はお早目になされることをお勧めいたします。本事例では遺産に不動産が多く存在したため、その評価方法をめぐり慎重な検討を要しました。遺産のうち不動産の取得をご希望される場合とそうではない場合とで、交渉、調停の進め方に違いが生じてきます。本件において、全国規模の大手不動産業者等(当職と長期間仕事上のお付き合いがあるため早期に当方の意向に応じたご協力をしていただけております。)に資料を作成していただき、それをもとに交渉、調停を行い、依頼者の方に有利な金額の支払を受けることができました。