この事例の依頼主
60代 女性
相談前の状況
亡くなった父親の遺産分割について相談しました。相続人は私と母親、妹の3名で、相続財産は預貯金と不動産で約5,000万円ほどありました。遺産分割について相続人の間で特に争いはないものの、どのように手続きを進めていけばよいのか分からず、また母親には認知症があることも気になっていました。
解決への流れ
まずは、判断能力に問題のある母親について家庭裁判所に成年後見の申立てを行い、裁判所が選任した弁護士が成年後見人となりました。そのうえで、母親の成年後見人である弁護士及び妹と遺産分割協議を進め、法定相続分(母親:2分の1、ご相談者及び妹:各4分の1)に従い遺産分割協議書を作成し、各相続人が署名押印しました。その後、不動産については各相続人に対して移転登記を行い、預貯金については解約し、各相続人に分配して無事に遺産分割手続きが完了しました。
相続人の中に判断能力に問題のある方がいる場合、家庭裁判所に成年後見等の申立てを行い、成年後見人等を選任してもらったうえで、遺産分割手続きを進める必要があります。相続人間で特に争いがない場合でも、遺産分割手続きを弁護士に依頼することでスムーズに解決できることがあります。