この事例の依頼主
50代 女性
相談前の状況
長年別居中の夫の債権者から連帯保証人として本人及び本人の母に返済を求める通知を受け取る。本人の母は認知症で施設に入所中。居住しているマンションは夫、本人、本人母の共有名義。同マンションには、本人と成人した子どもが居住していた。本人から夫に返済について連絡するも返答なし。別居期間中、婚姻費用の支払いもなし。今後の生活に困って相談。
解決への流れ
返済するための独自の資金がないため、財産分与にて居住しているマンションの夫の持分を取得し、成人している子どもにマンションを買い取ってもらったうえで、引続き居住できるよう、離婚調停を申し立てて夫と交渉。本人の母については、成年後見を申立て。1年ほどの時間を要したが、別居期間中の未払婚姻費用相当額と夫の共有持分、年金分割を得て離婚成立。調停期間中、子どもが数行の銀行と相談し、住宅ローンを組むことができたため、マンションは、子どもが買取り。離婚後も引続き、本人と子どもで居住することが叶った。
婚姻中に取得した不動産に、離婚後どちらが居住するのかは、負債を抱えている場合は特に難しい問題を含みます。まして、共有者が認知症の場合、離婚だけでなく後見の問題も同時に生じます。本人や親族が取得できない場合、どうやって居住を続けるのかは、事案に応じて、実現できることもあれば、実現できないことも少なくありません。今回は、幸運にも銀行の協力が得られ、お子さんが買い取りをすることで、離婚後も従前からの生活実態を変えずに生活を続けることができました。時間はかかりますが、問題を1つ1つクリアしていけば、いつか必ず新しい生活をスタートさせることができます。辛抱強さが時に必要ですが、ご依頼者さんに伴走しながら、進めています。