この事例の依頼主
40代 女性
相談前の状況
解決事例②と逆に近いパターンであった。二世帯住宅内で夫婦関係がこじれ、妻は親側の自宅に避難してしまったことから、事実上同一敷地内に夫と同居をするという事態が続いていた。妻側家族としては、夫と目を合わせる機会も少なくなく、険悪な雰囲気が続いており、精神的にも疲弊することが少なくない状態が続いていた。
解決への流れ
夫婦関係調整調停を提起し、離婚と円満な退去を求めた。退去にはなかなか応じなかったものの、最終的には引越し費用相当額を事実上の立退き料として支払うことで退去の同意をとり、退去を実現させた。その後、持分の買取を申し出たが、それに応じてもらえなかったため、夫側持分に付されていた抵当権を取得し、実行して経絡することで持分を取得した。その後、自宅の持分という切り札を失った夫側は抵抗をあきらめ、離婚に応じるに至り、妻側としては持分を取得の上離婚も実現できた。
解決事例②とは異なり、夫側は自分の所有名義の物件に居住していることから、法律上当然に退去を求めることができないというのが本件の難しいところでした。他方、離婚だけ実現しても不動産の問題は残ることから、これを一括して解決するための前提として、まずは退去を実現すべきと考え、立退き料を支払ってでも退去を求めるという方策は結果として正解だったと思います。その後の交渉はずいぶん有利となりました。