この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
事故により車体が頭部に激突し、頬骨骨折、皮下組織が挫滅(潰れてしまうこと)し組織陥没するという重大な傷害を受けた。そのため病院において入院・手術を受けたが、皮下組織の陥没は組織の損傷が酷く手術によっても完全な回復は困難と診断するカルテが作成された。そこで自賠責請求にあたって、上記内容のカルテを添付して請求したが、自賠責認定機構による診断は「皮下組織の陥没はなく、単なる線状の傷であり、後遺障害にあたらないとの認定を受けた。
解決への流れ
上記自賠責機構による認定結果を傷害の治療を担当した医師に診ていただいたところ、「この認定は全く誤りです。カルテや検査データをもとに傷害の病態につき詳細な診断書を作成します」とされ、担当医により、傷害の病態が重大な後遺障害である皮下組織の陥没との内容の診断書が作成された。そこで当該診断書、病院のカルテ、手術記録、検査データ等を証拠として、直接、訴訟提起し裁判官による損害額の決定を求めた結果、大幅な賠償額の増額を獲得した。
本件では重大な後遺障害であったことから、保険会社の自賠責認定は、カルテに手術内容・結果等から組織陥没であるとの明確な記載があるにもかかわらず、意図的にカルテを無視した低い等級認定がされた。このような極めて不当な認定の場合には、実際に治療を担当した医師に認定結果を診ていただき、傷害の状態を正確かつ詳細に記載した診断書の作成が重要といえる。