この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
病院側は、通常の定期的な血液検査においてC型肝炎ウィルス陽性の検査結果が出ていたとしても、肝炎ウイルスを排除する治療を行わなかったことが原因で本件肝炎⇒慢性肝炎⇒肝臓がんへと進展したとは言えない(因果関係がない)と主張。
解決への流れ
C型肝炎ウィルスにより肝細胞が破壊され肝炎を発症し、さらに慢性肝炎、肝臓がんへと高い比率で進行することは、今日、肝臓学会などの研究報告で争いなく認められている。さらに、本件カルテの検査結果を解析した結果、血液中の肝細胞の破壊を調べるマーカ―により、肝細胞が次第に破壊され慢性肝炎⇒肝臓がんへと進展していることが認められたため、その解析結果を因果関係を証明する証拠として提出した。病院側は、これを認め示談で解決した。
医療等の事故において、最も証拠価値が高いとされているのは専門病院や医学部の研究者等による当該病気の診療に関する医学論文であり、また、その過失に当たる事実の証明のための証拠としてはカルテ・診断書である。本件は、過失の内容を決定するために肝臓学会の論文により、また、その過失に当たる事実の証拠としては、カルテの検査結果を根拠として主張したので、病院側は請求内容を認めざるを得なかった。