この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
依頼者は、浪費により過大な借金を負ってしまい、毎月の返済に窮するようになってしまいました。
解決への流れ
依頼者の負債額や収支状況からは、法的整理(破産・個人再生)による対応が必要でしたが、①依頼者には「浪費…をしたことによって著しく財産を減少させ、または、過大な債務を負担した」(破産法252条1項4号)ものとして破産法上の免責不許可事由があったことことから、破産手続の方法による整理が難しかったこと、②個人再生により返済額が減額されれば、毎月の収入の中から返済が可能であると認められたことなどから、個人再生手続による経済的更生を図ることとしました。最終的に、依頼者の提出した再生計画案(借金総額を100万円に減額してもらい、これを3年間で返済するという内容)は裁判所によって認可をして頂くことができ、依頼者は再生計画案に基づく返済を完了させ、借金を整理することができました。
個人再生とは、裁判所の関与のもと、法律(民事再生法)に従い借金額を減額させ、減額された金額を一定期間(原則として3年間)で完済させるという手続です。個人再生は、最終的に減額後の金額を一定期間内に返済する必要があるという点で、免責が許可されれば一部の債務を除き借金の返済義務を免れる破産手続よりは利益が乏しいとも思われます。しかし、個人再生では、本件のように、破産手続によっては解決が難しい(破産法上の免責不許可事由があり、免責を得るのが難しい)事案でも利用が可能な場合があるなど、事案によっては破産手続を選択するよりもご本人のメリットが大きい場合があります。借金の整理においては、任意整理・破産・個人再生などいくつかの手続が用意されていますが、具体的な事情によって利用できる手続が変わってきたり、最も利益が大きい手続が変わってきたりします。当職は、ご相談時に依頼者からお聞きした事情から、最も依頼者に有利と思われる手続をアドバイスさせて頂いております。