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職場に「男女別の休養室」ありますか? 50年ぶり法改正、3年前から設置が義務化
今年の夏は酷暑が続き、仕事中に体調を崩した人も多かったのではないでしょうか。仕事中、体調が悪くなったにもかかわらず、休める場所がない…。そんな職場もあるかもしれません。 実は3年前から、職場における労働衛生基準が変わり、現在は常時50人以上、あるいは常時女性が30人以上の労働者を使用する事業者は、「休養室」または「休養所」を男性用と女性用に区別して設ける必要があるとされています。
50年ぶりに変わった職場の環境。どのようなものなのでしょうか。杉浦智彦弁護士に解説してもらいます。
「本国の家族が危険に」五輪選手の亡命希望、特定避ける報道を 難民支援協会が要請
東京五輪・パラリンピックで来日している選手らが難民申請や亡命などを希望していることが報じられると、本人や本国の家族が迫害される恐れがあるなどとして、認定NPO法人 難民支援協会が、個人が特定できない報道を求めている(https://www.refugee.or.jp/report/refugee/2021/08/olympic/)。
同協会によると、メディアが注目して報道することで、選手団や本国政府、大使館などによる行動制限や監視が強化され、難民申請などが困難になる恐れもあるという。
取材に対して担当者は、「視聴した人や読んだ人により伝わるように報じたいというメディア側の立場は理解しているが、庇護を求める人には特有の事情がある。名前や顔を出すことに、命にかかわるリスクがあることを理解し、報道に配慮していただきたい」と話した。
今大会では、亡命を希望したベラルーシ人選手や、難民申請の意向を示したウガンダ人選手らが話題になっていた。
ウーバーイーツユニオン、特別永住者の配達員アカウント「一方的な停止」に抗議
ウーバーイーツの配達員らでつくる「ウーバーイーツユニオン」は10月1日、東京・霞が関の厚労省記者クラブで記者会見を開き、ウーバーイーツが特別永住者の配達員のアカウントを一方的に停止しているとして、抗議声明を発表した。今後、団体交渉を申し入れる。
マッチングアプリで出会った「彼氏」が既婚者だった 騙されたのは私なのに、訴えられてしまう?
マッチングアプリで知り合い交際していた男性が、未婚だと嘘をついていたのが許せない——。こんな相談が弁護士ドットコムに寄せられました。
相談者の女性は、元カレとマッチングアプリを通じて付き合いました。交際時には未婚だと言っていましたが、実は交際前から結婚していたことが後になって発覚したそうです。
女性は、元カレに対して、賠償請求したいと考えているようですが可能なのでしょうか。宮地紘子弁護士に聞きました。
職場のスッピン女性に「化粧しろ」という後輩男性、「セクハラ」になるのか?
職場でスッピンで過ごしていたら、後輩の男性から「化粧しろ」と言われたーー。ネットの掲示板に、技術系の仕事をしている26歳の女性から怒りの投稿があった。同僚から、「男だって朝早く起きて髪を整えて眉毛綺麗にしてヒゲ剃ってるんだぞ、男でそれなのに女のくせに」と言われたそうだ。
この女性は、眉毛の形や髪型を整えるなど清潔さは保っているという。また、接客業などではなく、技術系の仕事のようだ。「私は見た目じゃなくて技術を売る仕事」「そもそも上司もマネージャーも何も言わない。仕事に関係ないのに、なんで化粧を強要されなきゃならないの?わけがわからない」と憤っている。
特に、この女性のように、接客や営業の仕事ではない人に対して、「化粧をしろ」ということは問題ないのだろうか。白川秀之弁護士に聞いた。
電車内で「酒盛り」する集団に非難殺到――法律で取り締まれないの?
電車内のマナー違反と言えば、携帯電話の通話やヘッドフォンの音漏れなどいくつかあるが、車内で「酒盛り」をするのはどうだろうか。
8月中旬、中年男性3~4人がビール片手に電車内で酒盛りをする画像がツイッターに投稿された。路線は分からないが、車内の様子からすると、新幹線や特急ではなく普通列車のようだ。中央の通路にテーブルのようなものを置き、その上に弁当のようなものを広げている。まるで居酒屋気分だ。
この画像はネット上ですぐに拡散し、「公共の場での酒臭さはタバコと同じぐらい不快」「通路塞ぐな」といった非難の声が挙がった。同じ車両にいた乗客も「迷惑だ」と感じていたかもしれない。こうした電車内の酒盛りを何らかの法律で取り締まることはできないものなのだろうか。鉄道にくわしい小島好己弁護士に聞いた。
●秩序を乱す乗客は「退去」させられる可能性も
「鉄道営業について規定した『鉄道営業法』42条1項4号の規定によれば、係員は、車内における秩序を乱す旅客を、車両外や鉄道敷地外に退去させることができる、とされています。ただし、この規定に罰則はないので、秩序を乱したとしても乗客が鉄道営業法による刑罰を受けることはありません」
――「退去」までいかなくても、単にそういった行為を禁止することもできる?
「鉄道は、不特定多数の旅客を、限られた空間に乗せて輸送する公共交通機関です。
したがって運送契約上、列車内で他の乗客に迷惑をかけたり、列車の円滑かつ安全な運行を阻害したりする、危険のある行為を鉄道会社は禁止できると思われます」
――車内での酒盛りは「秩序を乱す旅客」や「危険な行為」にあたる?
「単に缶ビールを飲みながら談笑する程度であればともかく、つまみを並べたテーブルを通路に置いての酒盛りとなると、車内の秩序を乱す行為あるいは危険な行為として、禁止あるいは列車外への退去の対象となりうると思われます」
――落ち着いて飲んでいたとしても?
「騒がずに飲んでいたとしても、テーブルで通路を塞げば、他の乗客の利用や乗務員の通行の妨げとなります。
また、緊急停止のときには、テーブルその他の物が飛び散って、他の乗客に危険が及ぶ場合もありますし、万一の場合には乗客の逃げ道を塞ぐ危険性まであります」
普通列車の車内に自前のテーブルを広げて飲み食いするのは、やり過ぎを超えて「危険」ということだろう。「どうしても車内で食事を」という人は、休暇をとって夜行列車の「北斗星」などに乗り、食堂車でのディナーを満喫するのがよさそうだ。
財務省提案の軽減税率「還付方式」を税理士が批判「事務コストを増やす要素は排除を」
消費税率の10%に引き上げに合わせて導入が検討されてきた、生活必需品の税率を低く抑える「軽減税率制度」のあり方について、自民、公明両党の間で議論になっている。
財務省の案は、来年1月に始まる「マイナンバー」のカードに購入履歴を記録する形で、消費者が会計するときに10%分の消費税を支払い、後日に2%分の還付が受けられるかたちが示されていた。
自民党はこの案を容認しているが、公明党はマイナンバーを使用する点や、消費者の手続きが面倒になることなどを理由に反対。モノを買う時点で税率が安くなる方式を導入することを主張している。財務省の示した案について、山本邦人税理士に聞いた。
初めて逮捕された「復讐屋」 メールの送り方を教えただけなら「犯罪」ではない?
インターネットを検索すると「復讐代行」をうたうサイトがいくつも出てきて驚かされる。こうしたサイトを運営していたとされる男性が10月下旬、名誉毀損の疑いで逮捕された。この手の「復讐屋」が摘発されるのは今回が初めてという。
報道によると、この男性は広島県に住む女性から依頼を受け、女性のかつての勤め先にあてて、元同僚を中傷するメールを十数回送った疑いがもたれている。メールは発信元がわかりにくくなるよう海外のサーバーを経由して送られていたようだ。ただ、読売新聞の報道によれば、男性は「メールの送り方は教えたが、自分はやっていない」と容疑を否認しているという。
この男性の言い分のように、復讐をもくろむ依頼人の相談を受けて「身元のバレにくいメールの送り方」をアドバイスしただけだったとしたら、犯罪とまではいえないのだろうか。辻孝司弁護士に聞いた。
「私たちの一生が閉じ込められてしまう」マイナンバー違憲訴訟、原告が怒りあらわ
マイナンバー制度の運用は、憲法で保障されたプライバシー権などを侵害するとして、市民30人が12月1日、マイナンバーの削除や慰謝料などを求めて、東京地裁に提訴した。この日、全国の弁護士や市民でつくるグループによって、東京以外にも、仙台、新潟、金沢、大阪の4つの地方裁判所で、一斉に訴訟が起こされた。
提訴後、東京・霞ヶ関の司法記者クラブで開かれた記者会見で、原告側代理人の「マイナンバー違憲訴訟・東京弁護団」の水永誠二弁護士は、「マイナンバー制度によってプライバシーが丸裸にされ、監視国家化する危険性がある」と述べた。
「明確な同意のない性行為はレイプ」スウェーデン新法、被害減少の期待と新たなリスク
スウェーデンで7月1日、明確な同意のない性行為をレイプとみなすと定める新法が成立したことがAFPやCNNなどの海外メディアで報じられた。
従来、レイプは暴力や脅しを伴う性行為であると考えられていたが、この新法により、性行為に及んでいる当事者のうち、一方が自由意志で行為に参加していない場合などもレイプとみなされることになる。
新法は、性行為の際の言葉や身ぶり、その他の行為によって合意の表現が成されたか否かに注視して、判決を下すように求めているという。
日本では、レイプは刑法177条に規定されており、13歳以上の男女に対して「暴行または脅迫」を用いて性行為をした場合、また13歳未満の男女に対して性行為をした場合に強制性交罪が成立するとされている。
「#Me Too」運動が世界的に広まる中で成立したスウェーデンの新法だが、この法規制について、どのような論点が考えられるのか。松木俊明弁護士に聞いた。